レイアウトの山製作方法

[How to make Mountain of Layout]


 レイアウトのシーナリィ製作素材として普及した発泡スチロールは、軽量で切削等の加工がし易い事から現在では非常に多用されている。
 プラスターに浸したペーパータオルを紙帯の骨組に貼り付けていくオーソドックスなシーナリィ技法に比べると、非常に簡便かつ実用的な方法である事は確かである。
 発泡スチロールによるシーナリィ製作技法は30年前の古くからあったが、本格的に普及し出したのは昭和60年代に入ってからである。普及の推進役はレイアウト運転の魅力を標榜したNゲージで、メーカーが積極的に発泡スチロール利用のシーナリィ製作技法を普及させた結果である。
 近作のレイアウトでは山の部分に発泡スチロールを利用しているが、発泡スチロール塊を切削して山を形成するのではなく、従来の「紙帯骨組」の代わりに「稜線形状にカットした発泡スチロール板」を山の骨組として使用している。
 また、「プラスター含浸ペーパータオル」の部分は「新聞紙+プラスター筆塗り」に代えている。
 この方法は、従来の「紙帯骨組+プラスター含浸ペーパータオル」方式を「稜線形状発泡スチロール板骨組+新聞紙筆塗りプラスター」に換えた方式で、ドイツ地方鉄道建設時に開発し、その後のドイツ狭軌鉄道ではそのまま踏襲している。
 以下にドイツ狭軌鉄道を例に写真を示しながら解説する。

山の骨組 [発泡スチロール板骨組]
稜線形状にカットした5mm厚の発泡スチロール板を各所に取り付ける。
この稜線形状発泡スチロール板が山の骨組になり、目的とする山の形状のアウトラインが形成される。
 
テープ張り [両面接着テープ張り]
後述する新聞紙片を貼り付けるために、両面接着テープを張り巡らせる。
接着テープが貼り難いトンネルポータル近傍は、木工ボンド水に浸したペーパタオルでかさ上げする。
 
新聞紙貼り [全面新聞紙貼り]
適当な大きさにちぎった新聞紙片を木工ボンド水に浸して全面に貼り付ける。
即ち新聞紙により張り子の山を作る。
 
プラスター塗布 [プラスター筆塗り]
新聞紙の張り子の山に薄く溶いたプラスターを筆塗りする。
プラスターの食い付きを良くする為に、事前に新聞紙に木工ボンド水を塗布しておくと良い。
特に地肌を表現する部分は、プラスターを厚塗りして後で表面細工を行う。
 
着色 [山の着色]
ポスターカラーで着色する。
地肌がむき出る部分と樹木で覆われる部分で色を変えている。
 
完成 [山の植樹]
スポンジ材料で植樹して完成。

[考 察]
 「稜線形状発泡スチロール板骨組」は、従来の「紙帯骨組」の製作段階における不安定さや脆弱さを拭い去った骨組強化版工法で、骨組としての堅固さ/軽量性/加工性を発泡スチロールに求めたものである。
 また同時に、目的とする山のアウトライン形状を作り易くする効果もある。
 プラスターに関しては、従来の「プラスター含浸ペーパータオル」に代えて「新聞紙+薄目プラスター筆塗り」にする事により、シーナリィの更なる軽量化ならびに筆塗りにより周辺部へのプラスター汚れの拡散を防止する事を目指した工法である。
 またこの方法によれば、地肌むき出しの部分のみプラスターを塗れば良く、樹木や草で直接覆われる部分は何もプラスターを塗る必要はない。そうする事により、更なるシーナリィの軽量化を図る事が可能である。
 特に移動式レイアウトの場合、レイアウトの軽量化に最も注力しなければならないが、設計段階ではプラスターによるシーナリィの重量は殆ど定量的な推定ができないものである。
 プラスターでシーナリィを作った途端に「一人でレイアウトを運べなくなった!」という事態にもなりかねない。
 蛇足だが、プラスター作業時の周辺部の養生は忘れてはならない。プラスター作業時の汚れが台枠にこびり付いている「汚いレイアウト」を良く見かける。台枠もレイアウトの構成要素である。
 台枠から上の部分のみがレイアウトではない。