岩井村営軌道 自動機客車
[IWAI-MURA TRAMWAY KIHA1 Railcar]
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岩井村営軌道の自動機客車は12人乗りの木造超小型単端式ガソリン気動車で、明治から大正にかけて当時の日本鉄道事業(株)が世に送り出した本邦初の内燃式気動車です。当時はまだ「気動車」とは言わず「自動機車」「自動機客車」「自動客車」と呼んでいました。客車にガソリンエンジンを搭載して自走させるとの意味からです。この自動機客車は伝動方式がフリクションドライブなのが特徴でした。
岩井村営軌道は、鳥取県岩美郡岩美町の山陰本線岩美駅と岩井温泉駅を結んでいた軌間762mmの軽便鉄道で、岩井温泉の湯治客や岩井温泉の南3.5kmにある日本最古の銅山と云われる荒金鉱山から産出される銅鉱石の搬出を目的に、大正15年(1926年)に敷設されました。この軌道に関しては、最近ではレイル・マガジン編集長名取紀之氏のブログ「編集長敬白」に岩井町営軌道跡を訪ねる(上)と岩井町営軌道跡を訪ねる(下) で紹介されています。更に詳しくは安保彰夫氏が『鉄道ファン』(No.397〜399)誌上で「岩井町営軌道秘録」として大変貴重な研究成果を発表されていますので御一読をお薦めします。また、同社製自動機客車は人車鉄道の動力近代化策の一環として夷隅軌道や宇都宮石材軌道にも導入されました。
さて、この自動機客車の模型は2003年の日本鉄道模型ショウで花園製作所と杉山模型が同時発売して話題になりました。花園製作所はHOナローの1/87 9mmのキット、杉山模型は16番ナローの1/80 9mmの完成品でしたが、このような珍車自体が模型化されたことは大きな驚きでした。また同時に「自動機客車」という言葉自身もこの時はじめて知りました。なお、両製品の詳細はTMS2004年2月号に紹介されています。
この自動機客車(杉山模型製)は大変気に入っており、西葛軌道の主力レイルカーとして活躍しています。人車鉄道研究の過程で夷隅軌道や宇都宮石材軌道の実車写真を見ていただけに尚更愛着が湧きます。当初は運転士と後部デッキに鉄道員の人形を搭載するだけでしたが、後で乗客の人形も追加搭載し、きつめのウェザリングを施しました。モーターはキドモーターですが、走行調整の結果ギヤー音が少々しますが低速安定運転ができるようになりました。
参考までに、この自動機客車の低速安定運転の限界は、軌道エンドレス一周926.8mmを33秒で周回するスケールスピード換算8.1km/hです。
単端式ガソリンカーはボンネットが突き出たひょっとこ型が人気のようですが、この自動機客車は本邦初のガソリンカーの模型としてレアアイテムかつ貴重な一品でしょう。
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